計算機

レーザーのカーフとはめ合い

箱を作るソフトはどれも「カーフ」を聞いてきますが、同じ数を指しているとは限りません。切り幅を一度測れば、LightBurn・xTool Creative Space・boxes.py・MakerCase・TabbedBoxMaker に何を入れればよいか、手で補正するなら溝・ツメ・切り欠きを何 mm で描けばよいかを出します。

1カーフを測る

測り方
穴ではなく、抜け落ちた部品の方を、マスキングを貼らない素の材料で測ります。

2はめ合わせる部品

板は 1 枚ずつ厚さが違います。ノギスで測った値が、欲しい溝の幅です。
当サイトの目安で、決まった基準ではありません。まず 0。木で圧入なら +0.005〜0.01 くらい、すきまばめなら少しマイナス。片側 0.01 ごとに、板厚の溝は 0.02 mm、ツメと切り欠きは 0.04 mm きつくなります。アクリルは縮まないので圧入に向きません。
カーフ
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片側の補正量
—
板厚の溝
—
ツメと切り欠き
—

ソフトに入れる値

ソフト欄入れる値注意
LightBurnKerf Offset(カット設定の Line)—正の値で閉じた図形が外へ広がります。同じレイヤーで別の図形の内側にある図形は向きが逆になり、穴や溝は縮みます。外形と同じレイヤーに置いてください。
xTool Creative SpaceKerf offset—範囲は −1〜1 mm、小数 2 桁まで。XCS の説明書は「スポット径の 0.5 倍」、xTool の古いブログは「カーフ幅と同じ」と書いていて食い違います。説明書に従います。穴の扱いは説明書に無いので、試し切りで穴の寸法も確かめてください。
boxes.pyburn—既定値 0.1。大きいほどきつい。BurnTest では「寸法差の半分」と定めています。
MakerCaseKerf—欄名が「Beam Dia / 2」だったと使う人が書いています。公式の説明ページは見つかりませんでした。
Inkscape TabbedBoxMakerKerf (cut width)—拡張機能の中で半分にして使います。
CuttleKerf—既定値 0.007 in。全幅か半分かが説明に無いので、Cuttle の無料の試し切りテンプレート(Finger Joints Kerf Tester)で両方を試します。
Illustrator・Inkscape・Fusionパスのオフセット—外形は外へ、穴は内へ。

組み手がゆるくなる理由

ビームは幅ゼロの線を切るわけではありません。描いた線を中心に、細い帯(カーフ)を焼き飛ばします。どれだけゆるくなるかは、継ぎ手のどの面を切るかで変わります。

  • ツメと切り欠き(箱の組み手):ツメは両側でカーフの半分ずつ削られて描いた幅よりカーフ 1 本分細くなり、入る切り欠きは 1 本分広くなります。すき間はカーフの約 2 倍です。
  • 板の厚みが入る溝(差し込み・仕切り):切るのは溝だけで、相手の板の厚みは切りません。すき間はカーフの約 1 倍です。
補正しないときのすき間 ≈ 2 × カーフ(ツメと切り欠き)・≈ 1 × カーフ(板厚の溝)・片側の補正量 = カーフ ÷ 2

切る線を、外形は外へ、穴は内へ、カーフの半分ずつずらせば、焼き飛ぶ帯が部品の外に出て、描いたとおりの大きさになります。多くのソフトは補正値を入れれば自動でやってくれます。問題は、そのソフトが全幅を聞いているのか、半分を聞いているのかです。

カーフの測り方 3 つ

  1. 四角を切る。20 mm の四角を切って、抜け落ちた部品を測ります。カーフ = 20 − 実測。マスキングテープの上ではなく素の材料で、焦げた縁を避けて測ります。ノギスは約 0.1 mm 以下が苦手なので、カーフが細いときは次の方法にします。
  2. くし形の短冊。枠の中に 10 本の短冊を切り(切った線は 11 本)、短冊を片側に寄せて、すき間の合計をすきまゲージかノギスで測ります。カーフ = すき間 ÷ 切った線の本数。Ponoko はこの方法でカーフの表を作りました。
  3. LightBurn のバーニヤのテスト。LightBurn のカーフのテストは副尺で読みます。Kerf Offset = D.E ÷ 40。この値がそのまま片側の量です。

カーフは方向で変わることがあります。ダイオードのスポットは丸でないことが多く、Fab Academy の CO2 のテストでも MDF で一方向 0.217 mm、もう一方 0.264 mm でした。一方向だけ合わないときは、X 方向と Y 方向の切り口を別々に測ってください。

ソフトごとの「カーフ」の意味

計算機の表が、測った値をソフトごとの正しい値に直します。まとめると、LightBurn・xTool Creative Space・boxes.py・MakerCase はカーフの半分(片側の量)、TabbedBoxMaker は切り幅の全幅(中で半分にして使う)です。Cuttle は説明にどちらか書かれていないので、無料の試し切りテンプレートで両方を試します。箱を作るソフト(boxes.py・MakerCase・Cuttle・TabbedBoxMaker)は、値を大きくするほどきつくなります。

LightBurn は、正の Kerf Offset で閉じた図形が外へ広がり、説明書によれば同じレイヤーで別の図形の内側にある図形は向きが逆になります。外形と同じレイヤーに置けば、穴や溝は縮んで、はめ合いがきつくなります。xTool Creative Space の説明書は補正値を「理論上はスポット径の 0.5 倍」としていますが、xTool Academy の古い記事は「カーフ幅と同じ」と書いています。当サイトは説明書に従います。XCS の説明書は穴の扱いを書いておらず、値を小数 2 桁に丸めるので、試し切りで穴の寸法も確かめてください。

公表されているカーフ

出典材料カーフ(mm)
Ponoko(2011 年のブログ・40 W CO2)アクリル 3 mm0.125
Ponoko(2011 年のブログ・40 W CO2)合板 3 mm0.20
Ponoko(2011 年のブログ・40 W CO2)ハードボード 3 mm0.19
Ponoko のヘルプ(現在)透明アクリル 3 mm約 0.2
Fab Academy の記録(Epilog Mini 24・CO2)段ボール 4 mm0.10〜0.20
Fab Academy の記録(Epilog Legend 36EXT・CO2)MDF 6.35 mm0.217(一方向)・0.264(もう一方)
xTool Academy(全般)木・樹脂0.25〜0.51

Trotec・Epilog・Glowforge の材料別のカーフの表は見つからず、ダイオードレーザーについてはどのメーカーの表もありませんでした。自分の測った値が大きく外れていないかを見るのに使ってください。

圧入か、すきまばめか

レーザーで切る組み手のはめ合いを、決まった数で示した基準は見つかりませんでした。読んだ資料はどれも試し切りをすすめています。木は少し縮むので、補正量をちょうどカーフの半分か少し大きめにすれば圧入できることがあります。アクリルは縮まず割れることがあるので、わずかにゆるくして接着します。合板は 1 枚ずつ厚さが違うので、「3 mm」という呼び名ではなく、切る板を測ってください。

よくある質問

レーザーのカーフ(切り幅)はどう測る?
大きさの分かった四角(たとえば 20 mm)を切り、抜け落ちた部品をノギスで測ります。カーフはデータの大きさから実測を引いた値です。もっと正確にするなら、枠の中に短冊を何本か切り、寄せたときのすき間の合計を、切った線の本数で割ります。
LightBurn の Kerf Offset はカーフの全幅?半分?
片側の量、つまり実測のカーフの半分を入れます。LightBurn のバーニヤのテストで出る値(D.E ÷ 40)は、そのまま入れる値で、すでに片側の量です。正の値で閉じた図形が外へ広がります。
レーザーで切った組み手(フィンガージョイント)がゆるいのはなぜ?
ビームが線の両側の材料を焼き飛ばすからです。補正しないと、ツメはカーフ 1 本分細く、入る切り欠きはカーフ 1 本分広くなるので、組み手のすき間はカーフの約 2 倍になります。板の厚みが入る溝は約 1 本分広がります。外形は外へ、穴は内へ、カーフの半分ずつ切る線をずらします。
カーフはふつうどのくらい?
ホビー機や小型の CO2 レーザーで 3 mm のアクリル・合板・MDF なら、おおむね 0.1〜0.3 mm です。Ponoko は 40 W の CO2 で 3 mm アクリル 0.125 mm、3 mm 合板 0.20 mm としており、今のヘルプでは「約 0.2 mm から」と書いています。焦点・出力・速度・材料で変わるので、自分の機械で測ってください。

出典

確認日 2026-10-27・計算による値です。このページを作るのに実機は使っていません。関連:線間隔・DPI の計算