材料・樹脂

アクリルのレーザー加工の設定

アクリルは、設定の前に 2 つの問いがあります。この色はお使いのレーザーの光を吸うか、板はキャストか押し出しか。青色ダイオードは暗く不透明なアクリルは切れますが、透明な板は光がそのまま通り抜けます。

まず安全

始める前に 注意すれば可

  • 本当にアクリル(PMMA)か確かめてください。見た目の似た PVC やスチレンの板があり、PVC は避ける一覧に入っています(ポリカーボネートも同じく避ける材料です)(レーザーで加工してはいけない材料)。
  • アクリルは燃えます。Epilog は、レーザーで切るときに特に燃えやすいことが分かっていると書いています。動かしている間は機械から離れないでください。
  • 青色ダイオードでは、透明・白・一部の青のアクリルは切れません。光が通り抜けるか、ほとんど吸われず、下にある物に当たります。出力を上げて無理に切ろうとしないでください。
  • シアン化水素を出すアクリルもあると挙げられています(MatEdU)。排気をしてください。
動く断面図

光が当たると何が起きるか

切り替えると、同じ光でも材料しだいで結果が変わります。

CO2 10.6 µm
  • キャストのアクリル板
  • 霜のように白い彫り跡

CO2 の光は、どのアクリルにも吸われます。キャストの板では、彫った溝が霜のように白くなります。

断面の模式図で、縮尺は正しくありません。

レーザーの種類

どのレーザーで加工できるか

当サイトの「ダイオード・CO2・ファイバーの違い」の表から、この材料の行だけを出しています。(表の全体)

透明アクリル

青色ダイオード向かない

約 450 nm の青い光は透明アクリルに吸収されず、そのまま通り抜けます。黒い塗料やテープで覆えば、ごく薄い板なら切れることがある、とするメーカーが 1 つあります。

CO2切断・彫刻

10.6 µm は、透明なものも含めてアクリルによく吸収されます。

ファイバー向かない

1,064 nm は透明な材料には効きにくい波長です。

黒など暗い色のアクリル

青色ダイオード切断・彫刻

暗く不透明な色は、青い光を吸収します。

CO2切断・彫刻
ファイバーマーク・彫刻

黒いアクリルにくっきり白い線を付けます。切断を扱った出典はありません。

白・青のアクリル

青色ダイオード向かない

青色ダイオードには難しい材料です。Glowforge は白と一部の青のアクリルを非対応とし、xTool は 20 W でも 1 パスで切れなかった理由を波長の制約としています。

CO2切断・彫刻

CO2 は種類・色を問わずアクリルを切れる、という一般的な記述にもとづきます。

ファイバー出典なし
メーカーの値

メーカーの設定を 1 つの物差しで見る

どの値もメーカーが公開している出発点で、出典はメーカーです。当サイトで試した値ではありません。機械ごとに光出力が違うので、出力 % と速度を、光が線 1 mm に落とすエネルギー(J/mm)にそろえて並べました。点や表の行を押すと、元の行と計算、換算の計算機へのリンクが出ます。

J/mm = 光出力 W × 出力 % × パス数 ÷ 速度(mm/s) / J/mm² = J/mm ÷ 線の間隔(mm)

換算の計算機と同じ式です。同じ種類のレーザーなら、J/mm がそろえば焼け方も近くなります。切断の J/mm は厚さで大きく変わるので、近い厚さの行どうしで比べてください。

AtomStack のダイオードの「Acrylic(アクリル)」の切断の行は色を書いていません。青色ダイオードなら、暗く不透明な板である可能性が高いでしょう。「Translucent Acrylic(半透明のアクリル)」の彫刻の行も、どんな板か説明が無く、色付きかすりガラス調の板と思われます。透明な板にダイオードが効く根拠にはなりません。透明なアクリルを切る行は、55 W の CO2 の Hurricane(四角)だけです。TwoTrees の行も色を書いていません。A40 Pro V2 の LightBurn の切断の行は、% の欄に S 値が入っています。

0.0010.010.11101001,000125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)0.0010.010.11101001,000125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)
▬ 彫刻の行の半分:0.0285〜0.116 J/mm▬ 切断の行の半分:11.3〜79.1 J/mm彫刻切断ダイオードCO2赤外線 1,064 nm白抜き=打ち間違いの疑いがある行A40 Pro V2 は 48 W として計算しています(表は 48 W/24 W のどちらの設定か書いていません)。
65 行
機種(光出力)ソフトメーカーの表記・厚さ加工速度 mm/min出力線の間隔パスJ/mm
LightBurnAcrylic · 10切断13080%—1036.9換算へ →
LightBurnAcrylic · 3mm切断8080%—16換算へ →
LaserGRBLAcrylic彫刻6,000S4000.110.04換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 10mm切断130S1000—1046.2換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 3mm切断80S1000—17.5換算へ →
LightBurnTranslucent Acrylic彫刻3,00020%0.110.04換算へ →
LaserGRBLTranslucent Acrylic彫刻3,000S2000.110.04換算へ →
LightBurnAcrylic · 15切断15080%—1064換算へ →
LightBurnAcrylic · 4.5mm切断5080%—119.2換算へ →
LaserGRBLAcrylic彫刻8,000S6000.083310.09換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 15mm切断150S800—1064換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 4.5mm切断50S800—119.2換算へ →
LightBurnAcrylic彫刻12,00080%0.110.096換算へ →
LightBurnAcrylic · 10mm切断10080%—111.5換算へ →
LightBurnAcrylic · 25mm切断10080%—892.2換算へ →
LaserGRBLAcrylic彫刻12,000S8000.110.096換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 10mm切断100S800—111.5換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 25mm切断100S800—892.2換算へ →
LightBurnTranslucent Acrylic彫刻30,00020%0.110.0096換算へ →
LaserGRBLTranslucent Acrylic彫刻30,000S2000.110.0096換算へ →
LightBurnAcrylic彫刻12,00080%0.110.096換算へ →
LightBurnAcrylic · 10mm切断10080%—111.5換算へ →
LightBurnAcrylic · 25mm切断10080%—892.2換算へ →
LaserGRBLAcrylic彫刻12,000S8000.110.096換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 10mm切断100S800—111.5換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 25mm切断100S800—892.2換算へ →
LightBurnTranslucent Acrylic彫刻30,00020%0.110.0096換算へ →
LaserGRBLTranslucent Acrylic彫刻30,000S2000.110.0096換算へ →
LightBurnAcrylic彫刻10,00070%0.0810.202換算へ →
LightBurnAcrylic · 20切断100S800 ?—10230換算へ →
LightBurnAcrylic · 5mm切断100S800 ?—123換算へ →
LaserGRBLAcrylic彫刻10,00070%0.083310.202換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 20mm切断100S800—10230換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 5mm切断100S800—123換算へ →
LightBurnAcrylic彫刻10,00050%0.110.21換算へ →
LightBurnAcrylic · 26切断10090%—10378換算へ →
LightBurnAcrylic · 8切断10090%—137.8換算へ →
LaserGRBLAcrylic彫刻10,000S5000.110.21換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 26切断100S900—10378換算へ →
LaserGRBLAcrylic · 8切断100S900—137.8換算へ →
LightBurnTranslucent Acrylic彫刻8,00030%0.110.158換算へ →
LaserGRBLTranslucent Acrylic彫刻8,000S3000.110.158換算へ →
BitmapBlack Acrylic彫刻9,00015%0.0510.055換算へ →
Vector LineBlack Acrylic彫刻3,5006%—10.0566換算へ →
-Black Acrylic · 8mm切断300100%—111換算へ →
-Black Acrylic · 6mm切断25080%—110.6換算へ →
BitmapTransparent acrylic彫刻24,00020%0.110.0275換算へ →
Vector LineTransparent acrylic彫刻3,5005%—10.0471換算へ →
-Transparent acrylic · 20mm切断50100%—166換算へ →
-Transparent acrylic · 3mm切断70080%—13.77換算へ →
BitmapBlack acrylic彫刻10,00040%0.0110.0029換算へ →
Vector LineBlack acrylic彫刻50050%—10.072換算へ →
BitmapBlack acrylic彫刻5,00080%0.0510.048換算へ →
Vector LineBlack acrylic彫刻1,00025%—10.075換算へ →
BitmapAcrylic彫刻8,00080%0.110.12換算へ →
Vector LineAcrylic彫刻50030%—10.72換算へ →
-Acrylic · 5mm切断6080%—116換算へ →
-Acrylic · 14mm切断10080%—1096換算へ →
BitmapAcrylic彫刻2,00080%0.0210.0288換算へ →
Vector LineAcrylic彫刻50080%—10.115換算へ →
-Acrylic 1–3 mm · 1–3mm彫刻6,00020%—10.011換算へ →
-Acrylic 1–3 mm · 1–3mm彫刻6,00020%—10.02換算へ →
-Acrylic 3 mm · 3mm切断150100%—24.4換算へ →
-Acrylic 3 mm · 3mm切断150100%—14換算へ →
-Acrylic 5 mm · 5mm切断150100%—28換算へ →

キャストと押し出し

Epilog の説明は簡単です。キャストのアクリルは彫ると霜のような白になり、押し出しのアクリルは透明なまま彫れます。押し出しは切り口が炎で磨いたようになり、キャストは切れてもその切り口にはなりません。Trotec のアクリルの手引きも、白く彫れるのはキャストだとしています。看板や記念品の彫刻にはキャスト、つやのある切り口がほしい部品には押し出し、と使い分けます。

ラベルが無くて分からなければ、端材を切ってみます。切り口がつやつやに光れば押し出しの可能性が高いです。

青色ダイオードで切れるアクリル

CO2 の光(10.6 µm)は、透明なものも含めて、どの色のアクリルにも吸われます。青色ダイオード(約 450 nm)は逆です。暗く不透明な色は光を吸い、透明なアクリルは素通りさせます。白と一部の青は、Glowforge が非対応とし、xTool は 20 W でも 1 回では切れませんでした。xTool は、黒い塗料やテープで覆えば、ごく薄い透明な板なら切れたと書いていますが、これは設定ではなく回り道です。ダイオード・CO2・ファイバーの違いも見てください。

保護紙と仕上げ

  • 切断:Epilog は、熱の汚れや傷を防ぐため、ふつうは両面の保護紙を付けたままにします。
  • 彫刻:彫る面の保護紙ははがします。付けたままだと紙を彫ることになり、のりが残ります。看板では絵を左右反転して裏から彫り、表の保護紙は扱う間は付けたままにします。
  • 押さえ:薄い板は熱で反ります。焦点がずれないよう平らに押さえます。
  • はめ合い:溝やはめ込みには、カーフとはめ合いの計算機でカーフを測ってください。

アクリルでのテストのやり方

  1. 同じ板の端材を使います。キャストと押し出し、色によって結果が変わります。
  2. 彫刻は LightBurn のマテリアルテストで出力と速度を並べ、キャストならむらなく白くなった最初の箱で止めます(LightBurn)。
  3. 切断は、同じ速度で小さな四角を切り、きれいに抜けるまでパス数を足します。ダイオードでは、暗く不透明な板だけにします。
  4. どのテストでも機械のそばにいてください。アクリルは燃えることがあります。

よくある質問

ダイオードレーザーで透明なアクリルは切れますか?
切れません。青色ダイオードの光(約 450 nm)は、透明なアクリルに吸われずに通り抜けます。白と一部の青も非対応とされています。暗く不透明なアクリルなら切れます。CO2 レーザーなら、どの色のアクリルも切れます。
メーカーはダイオードでアクリルにどんな設定を出していますか?
AtomStack は、厚さ 3〜10 mm(色の記載なし)を 50〜100 mm/min・出力 80〜100 %で切り、1 回で約 6〜40 J/mm です。彫刻は 6,000〜12,000 mm/min です。TwoTrees は 3 mm を 150 mm/min・100 %で切ります(5.5 W は 2 回)。自分の機械に直してから試してください。
キャストと押し出し、どちらのアクリルを使えばいい?
彫刻ならキャストで、霜のような白になります。切断なら押し出しで、切り口が炎で磨いたようになりますが、彫ると白ではなく透明になります。Epilog と Trotec がそう説明しています。
アクリルを切る前に保護紙ははがしますか?
切断なら、Epilog は熱の汚れや傷を防ぐため、ふつうは両面とも付けたままにします。彫刻なら、彫る面の紙ははがします。付けたままだと紙を彫ることになり、のりが残ります。

出典

レーザーの種類の可否の出典

最終確認 2026-11-01・メーカーの値と計算です。当サイトでこの材料を加工したわけではありません。

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