材料・木の板

合板・シナ合板のレーザー設定

合板は薄い木を接着剤で重ねた板で、レーザーは接着剤も通り抜けなければなりません。同じ厚さでも、工場がどの接着剤を使ったかで、きれいに切れたり、接着剤の層でぴたりと止まったりします。

まず安全

始める前に 注意すれば可

  • 合板は注意の材料です。接着剤によってはホルムアルデヒドが出たり、そもそもレーザーに向かなかったりします。レーザー用として売られている合板を選び、よく換気してください(レーザーで加工してはいけない材料)。屋内用の接着剤は切れやすいものの、多くは尿素ホルムアルデヒド系なので、排気が要ります。
  • 木は燃えます。エアアシストを使い、台に切りくずをためず、動かしている間は機械から離れないでください。
  • MDF は接着剤の多い別の板です。焦げが強く、ホルムアルデヒド系の MDF を禁止している大学もあります。
動く断面図

光が当たると何が起きるか

切り替えると、同じ光でも材料しだいで結果が変わります。

青色ダイオード 約 450 nm
  • 木の層
  • 尿素系・メラミン系の接着剤
  • すべての層を抜けた切り溝

尿素系やメラミン系の接着剤は木と一緒に飛ぶので、切り溝はどの層もまっすぐ抜けます。

断面の模式図で、縮尺は正しくありません。

レーザーの種類

どのレーザーで加工できるか

当サイトの「ダイオード・CO2・ファイバーの違い」の表から、この材料の行だけを出しています。(表の全体)

青色ダイオード切断・彫刻
CO2切断・彫刻
ファイバー向かない

向きません。きれいに印を付けるより、焦がしてしまいます。

メーカーの値

メーカーの設定を 1 つの物差しで見る

どの値もメーカーが公開している出発点で、出典はメーカーです。当サイトで試した値ではありません。機械ごとに光出力が違うので、出力 % と速度を、光が線 1 mm に落とすエネルギー(J/mm)にそろえて並べました。点や表の行を押すと、元の行と計算、換算の計算機へのリンクが出ます。

J/mm = 光出力 W × 出力 % × パス数 ÷ 速度(mm/s) / J/mm² = J/mm ÷ 線の間隔(mm)

換算の計算機と同じ式です。同じ種類のレーザーなら、J/mm がそろえば焼け方も近くなります。切断の J/mm は厚さで大きく変わるので、近い厚さの行どうしで比べてください。

AtomStack の行は「Basswood(シナ材)」とだけあり、無垢か合板かは書かれていません。レーザー用に売られているシナの板はたいてい合板なので載せましたが、表では確かめられません。TwoTrees の行は「Plywood(合板)」です。速い速度で 10 回の行は、厚い板を切るメーカーのやり方で、打ち間違いではありません。A40 Pro V2 の LightBurn の切断の行は、% の欄に S 値が入っています。

0.010.1110100125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)0.010.1110100125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)
▬ 彫刻の行の半分:0.053〜0.0765 J/mm▬ 切断の行の半分:6.6〜16.5 J/mm彫刻切断ダイオードCO2白抜き=打ち間違いの疑いがある行A40 Pro V2 は 48 W として計算しています(表は 48 W/24 W のどちらの設定か書いていません)。
57 行
機種(光出力)ソフトメーカーの表記・厚さ加工速度 mm/min出力線の間隔パスJ/mm
LightBurnBasswood彫刻6,00070%0.110.07換算へ →
LightBurnBasswood · 6mm切断13080% ?—1036.9換算へ →
LightBurnBasswood · 8mm切断70080%—106.86換算へ →
LaserGRBLBasswood彫刻6,000S7000.110.07換算へ →
LaserGRBLBasswood · 6mm切断130S1000 ?—14.62換算へ →
LaserGRBLBasswood · 8mm切断700S1000—108.57換算へ →
LightBurnBasswood彫刻20,00080%0.110.048換算へ →
LightBurnBasswood · 10mm切断70080%—1013.7換算へ →
LightBurnBasswood · 9mm切断100100%—112換算へ →
LaserGRBLBasswood彫刻20,000S9000.110.054換算へ →
LaserGRBLBasswood · 12mm切断120S800—18換算へ →
LaserGRBLBasswood · 17mm切断700S800—1013.7換算へ →
LightBurnBasswood彫刻20,00080%0.110.0576換算へ →
LightBurnBasswood · 12mm切断12080%—19.6換算へ →
LightBurnBasswood · 17mm切断70080%—1016.5換算へ →
LaserGRBLBasswood彫刻20,000S8000.110.0576換算へ →
LaserGRBLBasswood · 12mm切断120S800—19.6換算へ →
LaserGRBLBasswood · 17mm切断700S800—1016.5換算へ →
LightBurnBasswood彫刻20,00080%0.110.0576換算へ →
LightBurnBasswood · 12mm切断12080%—19.6換算へ →
LightBurnBasswood · 17mm切断70080%—1016.5換算へ →
LaserGRBLBasswood彫刻20,000S8000.110.0576換算へ →
LaserGRBLBasswood · 12mm切断120S800—19.6換算へ →
LaserGRBLBasswood · 17mm切断700S800—1016.5換算へ →
LightBurnBasswood彫刻10,00040%0.0910.115換算へ →
LightBurnBasswood · 14mm切断600S800 ?—934.6換算へ →
LightBurnBasswood · 11mm切断130S800 ?—117.7換算へ →
LaserGRBLBasswood彫刻10,00040%0.090910.115換算へ →
LaserGRBLBasswood · 14mm切断600S800—934.6換算へ →
LaserGRBLBasswood · 11mm切断130S800—117.7換算へ →
LightBurnBasswood彫刻10,00025%0.0910.105換算へ →
LightBurnBasswood · 20切断1,20090%—1031.5換算へ →
LightBurnBasswood · 15切断30090%—112.6換算へ →
LaserGRBLBasswood彫刻10,000S2500.110.105換算へ →
LaserGRBLBasswood · 20切断1,200S900—1031.5換算へ →
LaserGRBLBasswood · 15切断300S900—112.6換算へ →
BitmapBasswood彫刻18,00030%0.110.055換算へ →
Vector LineBasswood彫刻3,5006%—10.0566換算へ →
-Basswood · 12mm切断20080%—113.2換算へ →
-Basswood · 15mm切断150100%—122換算へ →
BitmapBasswood彫刻9,00080%0.0810.0267換算へ →
Vector LineBasswood彫刻1,00020%—10.06換算へ →
LightBurnBasswood · 3mm切断12040%—11換算へ →
LightBurnBasswood · 5mm切断12080%—24換算へ →
BitmapBasswood彫刻20,00080%0.110.048換算へ →
Vector LineBasswood彫刻1,0008%—10.096換算へ →
-Basswood · 6mm切断12080%—18換算へ →
-Basswood · 7mm切断50080%—1019.2換算へ →
-Plywood 1 mm · 1mm彫刻2,00030%—10.0495換算へ →
-Plywood 1 mm · 1mm彫刻6,00050%—10.05換算へ →
-Plywood 1 mm · 1mm切断400–500100%—10.733換算へ →
-Plywood 1 mm · 1mm切断1,000100%—10.6換算へ →
-Plywood 3 mm · 3mm切断200–300100%—11.32換算へ →
-Plywood 3 mm · 3mm切断700100%—10.857換算へ →
-Plywood 5 mm · 5mm切断100100%—26.6換算へ →
-Plywood 5 mm · 5mm切断300100%—12換算へ →
-Plywood 8 mm · 8mm切断150100%—14換算へ →

切れるかどうかは接着剤で決まる

何年も合板のパズルをレーザーで切ってきた Nervous System によると、屋内用の合板はふつう尿素系、屋外用はフェノール系の接着剤で、フェノール系は「尿素系の少なくとも 4 倍の出力が要る」そうです。いちばん良かった板は、メラミン系の接着剤でシナの芯を貼った板でした。LightBurn のフォーラムでも、光が飛ばせずに溶かしてしまう、濃い色の接着剤の層の話が出ています。

同じ記事は、レーザーは「1 つの出力でしか切れない」とも書いています。芯の中の空洞や節は表から見えず、そこで切り溝が止まります。ある板で完璧だった設定が、次の板では部品が抜けきらないのはこのためです。

シナ合板

シナ合板(シナはアメリカでは basswood と呼ばれる木)は、色が明るく、むらが少なく、やわらかいので、ホビーのレーザーでよく使われます。レーザー用として売られている板を選び、どの接着剤かを聞いてください。屋内用の尿素系の接着剤はフェノール系より切れやすいものの、排気は要ります。メーカーの行の厚さは 1〜20 mm ですが、ダイオードで 1 回で切る行の多くは 6〜12 mm くらいまでで、それより厚い板は速い速度で何回も切っています。

厚さが 1 mm 増えるごとにエネルギーが要るので、比べるときは近い厚さの行どうしで比べてください。上の散布図は、幅の広さを見せるために、あえてすべての厚さを混ぜています。

下ごしらえと仕上げ

一般的な作業の注意(出典なし):

  • 平らに保つ。反った板は、台の場所によって焦点が変わります。角を重りやピンで押さえます。
  • 煙のしみを防ぐ。弱い粘着のマスキングテープか転写テープを表に貼ると、煙のしみが付きにくくなります。エアアシストも効きます。
  • 板を動かす前に確かめる。部品をそっと押して、落ちなければ、板を動かさずにもう 1 回通します。
  • 切り口は軽くやすりで整えます。焦げた切り口は、合板のレーザー加工の味でもあります。
  • 組み手はカーフとはめ合いの計算機で合わせます。

合板でのテストのやり方

  1. 新しいロットごとに試します。接着剤と芯は、板ごと・売り手ごとに変わります。
  2. 出力と速度を決めて小さな四角を切り、抜けるまでパス数を足します。次に速度を変えて同じことをします。彫刻は LightBurn のマテリアルテストを使います(LightBurn)。
  3. 近い機械のメーカーの行を出力・速度の換算で自分の機械に直したところから始め、節のための余裕を見ておきます。
  4. いつも同じ深さで止まるなら、設定ではなく接着剤を疑ってください。

よくある質問

3 mm の合板に合うレーザーの設定は?
TwoTrees は 3 mm の合板を、5.5 W のダイオードで 200〜300 mm/min・100 %、10 W の TS3 で 700 mm/min で切っていて、1 回で約 0.9〜1.7 J/mm です。AtomStack の 5 W の P1 は、シナ材 3 mm を 120 mm/min・40 %(1 J/mm)で切ります。接着剤で大きく変わるので、必ず試してください。
合板が切れきらないのはなぜ?
多くは接着剤か、中の節です。屋外用の合板はふつうフェノール系の接着剤で、長くレーザーを使ってきた作り手は、尿素系の 4 倍以上の出力が要ったと書いています。芯の中の空洞や節も、見えないまま切り溝を止めます。レーザー用として売られている合板を選び、ロットごとに試してください。
合板をレーザーで切っても安全?
注意すれば広く行われています。合板の接着剤にはホルムアルデヒドが出るものや、レーザーに向かないものがあります。レーザー用として売られている合板を選び、排気をきちんと行い、機械のそばにいてください。木は燃え上がることがあります。
シナ材とシナ合板はレーザーではどう違う?
無垢のシナ材には接着剤の層が無いので、むらなく切れますが、幅の広い板は反りやすく高価です。シナ合板は安く平らですが、層の間の接着剤が切りにくさを足します。AtomStack の表は「Basswood」とだけ書いていて、どちらで試したかは分かりません。

出典

レーザーの種類の可否の出典

最終確認 2026-11-01・メーカーの値と計算です。当サイトでこの材料を加工したわけではありません。

ほかの材料