材料・皮膜のある金属

アルマイトのレーザー彫刻の設定

アルマイト(陽極酸化アルミ)では、レーザーは金属を彫っていません。薄い酸化皮膜の中の染料を抜いて、白い跡を残しています。無垢のアルミには抜く染料が無く、光の多くをはね返します。

まず安全

始める前に たいてい可

  • アルマイトは、ダイオードと CO2 で「彫れる」、ファイバーで「マークできる」材料です(ダイオード・CO2・ファイバーの違い)。跡は染料が抜けたもので、Trotec は皮膜そのものはほとんど取れないと書いています。
  • 磨いた無垢のアルミは別の仕事です。光の多くをはね返します。青色ダイオードで印が付くかは出典が割れ、CO2 はできず、ファイバーはできます。光る部品は思わぬ方向に光をはね返すので、囲いを閉め、波長に合った保護メガネを使ってください。
  • 塗装や粉体塗装のアルミは、アルマイトではありません。Glowforge は、粉体塗装に PVC が入っていないか確かめるよう書いています(レーザーで加工してはいけない材料)。
動く断面図

光が当たると何が起きるか

切り替えると、同じ光でも材料しだいで結果が変わります。

青色ダイオード 約 450 nm
  • 穴に閉じ込めた染料
  • 酸化皮膜(実物よりずっと厚く描いています)
  • アルミ

光が酸化皮膜の上の方の染料を抜き、白い皮膜が見えます。下の金属には届いていません。

断面の模式図で、縮尺は正しくありません。

レーザーの種類

どのレーザーで加工できるか

当サイトの「ダイオード・CO2・ファイバーの違い」の表から、この材料の行だけを出しています。(表の全体)

アルマイト

青色ダイオード彫刻のみ
CO2彫刻のみ

染料を抜いて白い跡を残します。皮膜そのものは残ります。

ファイバーマーク・彫刻

無垢のアルミ

青色ダイオード出典が割れる

青色ダイオードは無垢の金属に何もできないとする出典が 1 つ、アルミを彫れるとする出典が 2 つあります。

CO2向かない
ファイバーマーク・彫刻
メーカーの値

メーカーの設定を 1 つの物差しで見る

どの値もメーカーが公開している出発点で、出典はメーカーです。当サイトで試した値ではありません。機械ごとに光出力が違うので、出力 % と速度を、光が線 1 mm に落とすエネルギー(J/mm)にそろえて並べました。点や表の行を押すと、元の行と計算、換算の計算機へのリンクが出ます。

J/mm = 光出力 W × 出力 % × パス数 ÷ 速度(mm/s) / J/mm² = J/mm ÷ 線の間隔(mm)

換算の計算機と同じ式です。同じ種類のレーザーなら、J/mm がそろえば焼け方も近くなります。切断の J/mm は厚さで大きく変わるので、近い厚さの行どうしで比べてください。

AtomStack は多くの行を「Alumina(アルミナ=酸化アルミニウム。アルマイト処理で育つ皮膜)」と書いていて、言葉の説明はありません。当サイトはアルマイトの行として読みました。「Aluminum card」「Aluminum Business Card」は彫刻用に売られているアルミのカードです。IR の行は 1,064 nm のモジュール(P1・Kraft)で、三角で描いています。TwoTrees は「Anodized aluminum(アルマイト)」とはっきり書いています。

0.0010.010.1110125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)0.0010.010.1110125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)
▬ 彫刻の行の半分:0.0609〜0.28 J/mm彫刻ダイオードCO2赤外線 1,064 nmA40 Pro V2 は 48 W として計算しています(表は 48 W/24 W のどちらの設定か書いていません)。
31 行
機種(光出力)ソフトメーカーの表記・厚さ加工速度 mm/min出力線の間隔パスJ/mm
LightBurnAlumina彫刻30080%0.111.6換算へ →
LaserGRBLAlumina彫刻300S8000.111.6換算へ →
LightBurnAlumina彫刻3,00080%0.0810.32換算へ →
LaserGRBLAlumina彫刻3,000S8000.083310.32換算へ →
LightBurnAlumina彫刻10,00080%0.0810.115換算へ →
LaserGRBLAlumina彫刻10,000S8000.083310.115換算へ →
LightBurnAlumina彫刻10,00080%0.0810.115換算へ →
LaserGRBLAlumina彫刻10,000S8000.083310.115換算へ →
LightBurnAlumina彫刻10,00065%0.0810.187換算へ →
LaserGRBLAlumina彫刻10,00065%0.083310.187換算へ →
LightBurnAlumina彫刻10,00055%0.110.231換算へ →
LaserGRBLAlumina彫刻10,000S5500.110.231換算へ →
BitmapAlumina彫刻18,00035%0.110.0642換算へ →
Vector LineAlumina彫刻3,50040%—10.377換算へ →
BitmapCoated alumina彫刻10,00080%0.0110.0058換算へ →
Vector LineCoated alumina彫刻50060%—10.0864換算へ →
BitmapBlack alumina彫刻10,00070%0.0110.005換算へ →
Vector LineBlack alumina彫刻50060%—10.0864換算へ →
BitmapAluminum card彫刻10080%0.0512.4換算へ →
Vector LineAluminum card彫刻10080%—12.4換算へ →
BitmapBlack alumina彫刻1,00080%0.0510.24換算へ →
Vector LineBlack alumina彫刻1,00080%—10.24換算へ →
BitmapAlumina彫刻6,00080%0.0810.16換算へ →
Vector LineAlumina彫刻50020%—10.48換算へ →
BitmapNatural color alumina彫刻1,00080%0.0110.0576換算へ →
BitmapCoated alumina彫刻6,00080%0.0210.0096換算へ →
Vector LineCoated alumina彫刻1,00030% (constant power)—10.0216換算へ →
BitmapAluminum Business Card彫刻5,00060%0.0210.0086換算へ →
Vector LineAluminum Business Card彫刻500100%—10.144換算へ →
-Anodized aluminum彫刻4,00060%—10.0495換算へ →
-Anodized aluminum彫刻6,00020%—10.02換算へ →

レーザーが実際に取っているもの

アルマイト処理は、部品の表面に薄くて小さな穴の多い酸化アルミの皮膜を育て、その穴に染料を閉じ込めて色を付けます。レーザーはこの染料を抜き、下の白い皮膜を見せます。Trotec もまさにそう説明していて、皮膜そのものはほとんど取れないので、部品の守りは残るとしています。どの色でも跡が白〜明るい灰色になるのも、黒や濃い青がいちばんくっきりして、染めていないアルマイトではほとんど見えないのも、このためです。

皮膜は硬く、木のように溶けたりにじんだりしないので、Trotec は 600〜1,000 ppi の細かい解像度を勧めています。線の間隔なら約 0.042〜0.025 mm です(線間隔・DPI の計算機)。ダイオードのメーカーの行の多くは 0.08〜0.1 mm、1,064 nm の行は 0.01〜0.02 mm です。

アルマイトと無垢のアルミの違い

無垢のアルミは、目に見える光をもっともよくはね返す金属の 1 つです。反射板用のアルミ板は、450 nm で 93 %以上の反射率で売られています(Chalco L95)。ちょうど青色ダイオードの波長です。ふつうの板はそこまで光りませんが、光の多くが表面を温めずに出ていってしまう点は同じです。当サイトの出典では、青色ダイオードで無垢のアルミに印が付くかは割れ、CO2 はできない、ファイバーができる、とされています。

「金属の名刺」に印が付かないときは、そもそもアルマイトかどうかを確かめてください。無垢の金属なら、ファイバーや 1,064 nm のモジュールを使うか、CO2 とマーキングスプレーを組み合わせます(ダイオード・CO2・ファイバーの違い)。

下ごしらえ・焦点・仕上げ

一般的な作業の注意(出典なし):

  • 彫る前に指の脂や汚れを落とします。細かい塗りつぶしでは、むらになって出ます。
  • 焦点は丁寧に。Trotec は、ふちがぼやけたら焦点がずれていると書いています。薄いカードでは、台ではなくカードの上の面から測ってください。
  • 平らに押さえる。薄いカードは反ります。角をテープで留めるか治具を使い、カード全体で焦点が変わらないようにします。
  • 白くなったら止める。染料が抜けたあとは、エネルギーを足しても白くはなりません。跡が良くならなくなるところまでで上げるのをやめます。

アルマイトでのテストのやり方

  1. 同じロットの端材を使います。色や皮膜は売り手ごとに違います。
  2. LightBurn のマテリアルテストで、線の間隔は細かく固定し、出力と速度を並べます(LightBurn)。
  3. いちばん少ないエネルギーで、むらなくきれいに白くなった箱を選びます。
  4. どの箱にも印が付かなければ、アルマイトではないか、波長が合っていない(無垢の金属)可能性があります。

よくある質問

ダイオードレーザーでアルマイトは彫れますか?
はい。アルマイトは青色ダイオードで彫れる材料とされ、AtomStack と TwoTrees はどちらもダイオードの設定を出しています。レーザーは染料を抜いて白い跡を残し、金属そのものは彫りません。
メーカーはアルマイトにどんな設定を出していますか?
AtomStack のダイオードの行の多くは、3,000〜10,000 mm/min・55〜80 %・線の間隔 0.08〜0.1 mm で、線 1 mm あたり約 0.1〜0.3 J です(A10 Pro V2 と P1 には、遅くてずっと高い行もあります)。TwoTrees は 5.5 W で 4,000 mm/min・60 %、10 W で 6,000 mm/min・20 %です。自分の機械に直してから試してください。
アルミの名刺にダイオードで印が付かないのはなぜ?
アルマイトかどうか確かめてください。光る無垢のアルミは青い光の多くをはね返し、ダイオードで印が付くかは出典が割れています。アルマイトのカードは表面に色があり、無垢のものはただの金属の色です。
レーザー彫刻でアルマイトの皮膜は傷みますか?
Trotec によれば、ほとんど傷みません。レーザーは白い皮膜を見せるだけで、皮膜そのものはほとんど取らないので、守りの層は残ります。刃物で彫る方が深く、下の金属まで届くことがあります。

出典

レーザーの種類の可否の出典

最終確認 2026-11-01・メーカーの値と計算です。当サイトでこの材料を加工したわけではありません。

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