材料・革

革のレーザー加工の設定

どの設定にするかより、どの革を入れるかの方が大事です。レーザーに使うのは植物タンニン鞣しの革。クロム鞣しは避ける一覧に載り、合皮(フェイクレザー)はたいていプラスチックで、レーザーを当ててはいけません。

まず安全

始める前に 種類で分かれる

  • 植物タンニン鞣しの革を使ってください。クロム鞣しの革は避ける一覧に入っています。鞣しに使ったクロムが出ることがあり、Trotec と Glowforge も避けるよう書いています(レーザーで加工してはいけない材料)。
  • 2024 年の卓上 CO2 レーザーでの切断の研究(Niu ほか、ACS Chemical Health & Safety)では、換気を止めると、クロム鞣しの革から高い濃度の発がん性のある六価クロムが出ました(要旨)。換気すれば使ってよいという意味ではなく、クロム鞣しの革を避ける理由です。どの鞣しの革からも細かい粒子は出たので、どの革でも排気が大切です(排気ファンの計算機)。
  • 合皮(フェイクレザー)には当てないでください。多くは PVC で塩化水素が出ます。ポリウレタン(PU)のものはシアン化水素を出す材料として挙げられています。レーザーの種類を変えても同じです。
  • 鞣し方が書かれていなければ、レーザーを当てる前に売り手に聞いてください。染めた革や表面を加工した革を断る作業場もあるので、仕上げも確かめてください。
動く断面図

光が当たると何が起きるか

切り替えると、同じ光でも材料しだいで結果が変わります。

青色ダイオード 約 450 nm
  • 銀面(表の層)
  • 繊維の層
  • 焦げて少し縮んだ溝

光が通った所の銀面(表の層)が茶色く濃くなり、焦げて少し縮みます。レーザーに使うふつうの革です。

断面の模式図で、縮尺は正しくありません。

レーザーの種類

どのレーザーで加工できるか

当サイトの「ダイオード・CO2・ファイバーの違い」の表から、この材料の行だけを出しています。(表の全体)

青色ダイオード切断・彫刻
CO2切断・彫刻
ファイバー出典が割れる

彫れるとする出典が 2、できないとする出典が 2 あります。

メーカーの値

メーカーの設定を 1 つの物差しで見る

どの値もメーカーが公開している出発点で、出典はメーカーです。当サイトで試した値ではありません。機械ごとに光出力が違うので、出力 % と速度を、光が線 1 mm に落とすエネルギー(J/mm)にそろえて並べました。点や表の行を押すと、元の行と計算、換算の計算機へのリンクが出ます。

J/mm = 光出力 W × 出力 % × パス数 ÷ 速度(mm/s) / J/mm² = J/mm ÷ 線の間隔(mm)

換算の計算機と同じ式です。同じ種類のレーザーなら、J/mm がそろえば焼け方も近くなります。切断の J/mm は厚さで大きく変わるので、近い厚さの行どうしで比べてください。

どちらのメーカーも、試した革の鞣し方を書いていません。切断の行は厚さ 0.7〜5 mm です。おかしく見える行が 2 つあります。Kraft は 5 mm を 3,000 mm/min の 1 回で切る行(約 0.3 J/mm で、ほかの切断よりずっと小さい)、A40 Pro V2 の LightBurn の切断の行は % の欄に S 値が入っています。

0.0010.010.1110100125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)0.0010.010.1110100125102050100光出力(W、対数目盛)J/mm(対数目盛)
▬ 彫刻の行の半分:0.0339〜0.0768 J/mm▬ 切断の行の半分:1.92〜9.36 J/mm彫刻切断ダイオードCO2赤外線 1,064 nm白抜き=打ち間違いの疑いがある行A40 Pro V2 は 48 W として計算しています(表は 48 W/24 W のどちらの設定か書いていません)。
41 行
機種(光出力)ソフトメーカーの表記・厚さ加工速度 mm/min出力線の間隔パスJ/mm
LightBurnLeather彫刻8,00080%0.110.06換算へ →
LightBurnLeather · 2mm切断20080%—12.4換算へ →
LaserGRBLLeather彫刻6,000S7000.110.07換算へ →
LaserGRBLLeather · 2mm切断200S1000—13換算へ →
LightBurnLeather彫刻20,00060%0.110.036換算へ →
LightBurnLeather · 2mm切断25080%—13.84換算へ →
LaserGRBLLeather彫刻20,000S6000.110.036換算へ →
LaserGRBLLeather · 2mm切断250S800—13.84換算へ →
LightBurnLeather彫刻15,00080%0.110.0768換算へ →
LightBurnLeather · 2切断10080%—111.5換算へ →
LaserGRBLLeather彫刻15,000S8000.110.0768換算へ →
LaserGRBLLeather · 2切断400S800—12.88換算へ →
LightBurnLeather彫刻15,00080%0.110.0768換算へ →
LightBurnLeather · 2切断10080%—111.5換算へ →
LaserGRBLLeather彫刻15,000S8000.110.0768換算へ →
LaserGRBLLeather · 2切断400S800—12.88換算へ →
LightBurnLeather彫刻10,00045%0.110.13換算へ →
LightBurnLeather · 5mm切断1,000S600 ?—58.64換算へ →
LaserGRBLLeather彫刻10,00045%0.110.13換算へ →
LaserGRBLLeather · 5mm切断1,000S600—58.64換算へ →
LightBurnLeather彫刻10,00035%0.110.147換算へ →
LightBurnLeather · 4切断80090%—523.6換算へ →
LaserGRBLLeather彫刻10,000S3500.110.147換算へ →
LaserGRBLLeather · 4切断800S900—523.6換算へ →
BitmapLeather彫刻24,00020%0.110.0275換算へ →
BitmapLeather彫刻3,5008%—10.0754換算へ →
-Leather · 3mm切断80080%—13.3換算へ →
BitmapLeather彫刻10,00060%0.0110.0043換算へ →
Vector LineLeather彫刻50015%—10.0216換算へ →
BitmapLeather彫刻6,00080%0.0810.04換算へ →
Vector LineLeather彫刻1,00020%—10.06換算へ →
LightBurnLeather · 1mm切断50080%—10.48換算へ →
BitmapLeather彫刻10,00060%0.110.072換算へ →
Vector LineLeather彫刻1,00030%—10.36換算へ →
-Leather · 5mm切断3,00080%—10.32換算へ →
BitmapLeather彫刻5,00080%0.0110.0115換算へ →
Vector LineLeather彫刻1,00020%—10.0144換算へ →
-Leather 0.7 mm · 0.7mm彫刻6,00080%—10.044換算へ →
-Leather 0.7 mm · 0.7mm彫刻6,00020%—10.02換算へ →
-Leather 0.7 mm · 0.7mm切断700100%—10.471換算へ →
-Leather 0.7 mm · 0.7mm切断2,000100%—10.3換算へ →

植物タンニン鞣し・クロム鞣し・合皮

革レーザー理由
植物タンニン鞣したいてい可においは強いが、よく切れ、よく彫れる。染料とコーティングは確かめる。
クロム鞣し避ける鞣しのクロム。Trotec と Glowforge も避けるよう書いている。
合皮(PVC・PU)不可PVC は塩化水素、PU はシアン化水素を出す材料として挙げられている。

同じ種類でも 1 枚ずつ結果が違います。Glowforge の利用者の 1 人は、きれいに切れるクロム鞣しの革もあれば、「縮れた」ものもあったと書いています(Glowforge のコミュニティ)。植物タンニン鞣しと書いて売られている革を使う理由が、もう 1 つ増えます。

下ごしらえと仕上げ

一般的な作業の注意(出典なし):

  • 平らに置いて押さえる。革は熱の方へ反ります。端をピンや重りで押さえ、焦点をそろえます。
  • 台ではなく、彫る銀面で焦点を合わせます。厚い革では焦点が大きくずれます。
  • 表に煙を付けない。エアアシストと、表に貼った転写テープで、銀面に煙のしみが付くのを防げます。テープは後ではがします。彫った所のすすは、固くしぼった布でふきます。
  • 植物タンニン鞣しでも、切ったあとしばらくにおいが残ります。

革でのテストのやり方

  1. 同じ革の端切れを使います。厚さと仕上げは 1 枚ずつ違います。
  2. 彫刻は LightBurn のマテリアルテストで出力と速度を並べます(LightBurn)。むらなく茶色になったいちばん薄い箱で止めます。
  3. 切断は、同じ速度で小さな四角を切り、抜け落ちるまでパス数を上げます。メーカーの行では、革は同じ厚さの木よりずっと少ないエネルギーで切れています。
  4. 格子を作る前に、メーカーの行を出力・速度の換算で自分の機械に直します。

よくある質問

ダイオードレーザーで革に合う設定は?
メーカーのダイオードの行は、6,000〜20,000 mm/min・20〜80 %・線の間隔 0.08〜0.1 mm で彫刻していて、線 1 mm あたり約 0.02〜0.15 J です。厚さ 0.7〜2 mm の切断は、1 回で約 0.3〜4 J/mm です(A24 には 12 近い行が 1 つあります)。近い機械の行を自分の機械に直し、端切れで試してください。
クロム鞣しの革にレーザーを当てても大丈夫?
避ける一覧に入っています。Trotec と Glowforge は避けるよう書き、2024 年の研究では、換気を止めるとクロム鞣しの革から高い濃度の六価クロムが出ました。換気すれば使ってよいわけではありません。植物タンニン鞣しの革を使い、どの革でも排気をしてください。
合皮や PU レザーはレーザーで加工できますか?
できません。合皮の多くは PVC で塩化水素を出し、ポリウレタン(PU)のものはシアン化水素を出す材料として挙げられています。ダイオード・CO2・ファイバーのどれでも同じです。
彫った革に煙のしみが付くのを防ぐには?
一般によく行われる方法です(確かめた出典はありません)。エアアシストを使い、彫る前に表に転写テープを貼って後ではがします。焼きすぎないことも大切で、テストでむらなく焼けたいちばん弱い設定がいちばん汚れを残しません。すすは固くしぼった布でそっとふきます。

出典

レーザーの種類の可否の出典

最終確認 2026-11-01・メーカーの値と計算です。当サイトでこの材料を加工したわけではありません。

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