レーザーの焦点の計算とランプテストの生成
絞ったビームがいちばん細い点まで細くなり、また広がる様子と、CO2 のレンズやファイバーの fθ レンズ(ガルバノ式の機械のレンズ)ごとのスポット径、材料が焦点からどこまでずれてよいかを見ます。そのあと、ランプテストのファイルを作れます。板を傾けて目盛り付きの線を 1 本焼けば、本当の焦点のずれを板から読み取れます。
1レーザーとレンズ
2材料を動かす
レンズを並べて比べる
同じビーム・同じ縮尺。押すとそのレンズを使います。
3ランプテスト:板
4ランプテスト:線
SVG は mm 単位で描いてあり、LightBurn や xTool Creative Space で開けます。図のいちばん左の線を板の低い端から 10.0 mm、いちばん下の線を板の手前の縁から 1.0 mm の所に置いてください。
G-code
式
λ は波長(CO2 は 10.6 µm、ファイバーは 1.064 µm)、f は焦点距離、D はレンズに入るビームの直径、M² はビーム品質(理想的なガウスビームで 1)です。これは Omni Calculator が使う式で、M² = 1 のときのスポットの式は、Sintec Optronics が fθ レンズについて書いている 1.27 λ f ÷ D と同じです。焦点深度は、両者と同じくレイリー長の 2 倍、つまりスポットが最小の直径の √2 倍に収まる範囲としています。ランプテストの式は三角形の相似で、長さ L の板を h 持ち上げると、水平の長さの間に h だけ上がります。
式が出すのは理想のスポットです。CO2 レーザーの集光レンズを調べた Sandia の研究では、焦点距離が短くなるほど、測ったスポットが収差の無い場合の予測を大きく上回り、原因は球面収差とされています。ダイオードレーザーは計算から外しています。スポットが長方形で、ビームも丸い 1 本のガウスビームではないので、ランプテストで実際に測ってください。
CO2 のレンズを比べる
| レンズ | 当サイトの計算(スポット・焦点深度) | Sintec の図 | Thunder Laser のすすめる用途 |
|---|---|---|---|
| 1.5 インチ 38.1 mm | 0.09 mm・±0.48 mm | 0.076 mm・±1.91 mm | 細かい彫刻・小さな文字・写真 |
| 2.0 インチ 50.8 mm | 0.12 mm・±0.85 mm | 0.127 mm・±2.54 mm | ふつうの彫刻と切断。最初のレンズ |
| 2.5 インチ 63.5 mm | 0.15 mm・±1.33 mm | 0.178 mm・±3.81 mm | 焦点の余裕がほしい切断 |
| 4.0 インチ 101.6 mm | 0.24 mm・±3.41 mm | 0.304 mm・±5.06 mm | 厚い材料・密度の低い材料(目安で 10 mm 超) |
当サイトの列は、レンズに入るビーム 7 mm・M² 1.2 として計算しています。どちらも当サイトの仮の値で、メーカーの値ではありません(計算機で変えられます)。Sintec の図は前提のビームを書いていません。焦点深度の値には「+/-」と書いてありますが、同じ資料の本文は焦点深度をレイリー長の 2 倍(全幅)と決めています。値も同じスポットからレイリー長の決め方で出す値より大きいので、傾向を比べてください。
ファイバーの fθ レンズ
ガルバノ式のファイバーレーザーは、fθ レンズで光を絞ります。レンズは焦点距離と加工範囲で呼ばれ、Thunder Laser USA は自社の Aurora の 110・150・200 mm の範囲のレンズを F160・F210・F290 としています。長いレンズほど範囲が広く、スポットは太く、焦点は深くなります。
| レンズ | 加工範囲 | 当サイトの計算(スポット・焦点深度) |
|---|---|---|
| F160 | 110 × 110 mm | 46 µm・±1.06 mm |
| F210 | 150 × 150 mm | 61 µm・±1.83 mm |
| F290 | 200 × 200 mm | 84 µm・±3.49 mm |
ビーム 7 mm・M² 1.5 として計算(20 W のパルスのファイバー光源の仕様は「M² 1.5 未満・ビーム 6〜8 mm」が多い)。150 × 150 mm のレンズは 210 mm と 225 mm の両方が売られているので、レンズに書いてある焦点距離を見てください。
ランプテストの手順
- 長さ 150〜300 mm ほど、幅 15 mm 以上の平らな端材を用意します(線・目盛り・数字は、板の手前の縁から 12 mm の中に入ります)。板の長さと、片端の下に挟む物の高さを測ります(5〜12 mm くらいが多い)。持ち上げた端でヘッドがぶつからないか確かめます。
- いつもの方法で、生成器で選んだ場所に焦点を合わせます(真ん中がおすすめです。上下どちらのずれも測れます)。
- 注意を読んで確認の欄に印を付け、SVG か G-code を保存します。LightBurn や xTool Creative Space では SVG を使い、図のいちばん左の線といちばん下の線を、低い端と手前の縁から表示の距離の所に置きます。G-code では、作業原点 X0 Y0 を低い端の手前の角に合わせます。
- 跡が付くぎりぎりの低い出力で焼きます。線は両端が太く、本当の焦点の所でいちばん細くくびれます。
- いちばん細い所の目盛りを読み、生成器に入れます。どちらへ何 mm 動かせばよいかが出ます。
LightBurn から動かせる電動の Z 軸があれば、LightBurn の Focus Test が、板を傾ける代わりに Z を動かして同じことをします。Thunder Laser の Bolt の案内では、粗いテストの後、よかった 2 本の間で細かいテストをし、その結果でオートフォーカスの高さを合わせています。スポット径が分かったら、線間隔・DPI の計算で彫刻の線間隔に直せます。切り口が焦点を外れるとどうなるかはレーザーで何 mm まで切れるかで見られます。
よくある質問
- CO2 レーザーの 2 インチのレンズのスポット径は?
- レンズに入るビームが直径 7 mm、ビーム品質 M² が 1.2 なら、理論では約 0.12 mm です。d = 4 M² λ f ÷ (π D) = 4 × 1.2 × 0.0106 × 50.8 ÷ (π × 7)。Sintec Optronics の一般的な CO2 レーザーの図では 0.127 mm です。レンズに入るビームが太いほどスポットは小さくなり、管の劣化や光学部品の汚れで大きくなります。
- CO2 のレンズはどの焦点距離を選べばいい?
- Thunder Laser のレンズの案内では、2.0 インチがふつうの最初のレンズ、1.5 インチは細かい彫刻や小さな文字、2.5 インチは焦点の余裕がほしい切断、4.0 インチは厚い材料や密度の低い材料(目安で 10 mm 超)向けで、上限ではなく出発点としています。計算機で見ると理由が分かります。焦点深度はスポット径の 2 乗で大きくなるので、長いレンズは細かさと引き換えに余裕を得ます。
- ダイオードレーザーのランプテストのやり方は?
- 平らな端材の片端を、高さを測った物で持ち上げます。いつもどおり板の真ん中で焦点を合わせ、低い出力で斜面に沿って直線を 1 本焼きます。線は両端が太く、面が焦点と重なった所で最も細くなります。この生成器は線に高さの目盛りを付けるので、焦点のずれをそのまま読めます。いちばん細い所が +1.0 なら、本当の焦点は合わせた面より 1.0 mm 上です。
- LightBurn に焦点のテストはある?
- あります。LightBurn の Focus Test は、Z の高さを変えながら線を並べて彫り、いちばん細い線が最も焦点の合った高さです。ただし、LightBurn から動かせる電動の Z 軸が必要で、Device Settings で Z の制御を有効にしておきます。電動の Z 軸が無ければ、板を傾けるランプテストで同じことができます。
出典
- Omni Calculator Laser spot size calculator(M² を含むスポット径・レイリー長・焦点深度)
- Sintec Optronics Optical calculation in laser marking system(焦点深度をレイリー長の 2 倍とする定義、CO2 のレンズの図、fθ レンズのスポットの式)
- Thunder Laser レンズの選び方、Thunder Laser USA Aurora のレンズ F160・F210・F290・Thunder Bolt のランプテストとオートフォーカスの高さ(後の 2 つはページに断られ、検索の抜き書きで確認)
- LightBurn の説明書 Focus Test、FSL CO2 focus ramp test
- OSTI(Sandia)218536:CO2 レーザー溶接の集光レンズ(Welding Journal、1996)。サイトに断られ、要旨の検索の抜き書きで確認
- ビームの入力の目安:CO2 のガラス管の販売ページでは管の出口で約 2.5〜6 mm、Raycus の 20 W の Q スイッチのファイバー光源は M² 1.5 未満・ビーム 6〜8 mm(どちらも販売ページや説明書の検索の抜き書き)
確認日 2026-11-01・計算による値です。このページを作るのにレーザーは使っていません。