計算機・焦点

レーザーの焦点の計算とランプテストの生成

絞ったビームがいちばん細い点まで細くなり、また広がる様子と、CO2 のレンズやファイバーの fθ レンズ(ガルバノ式の機械のレンズ)ごとのスポット径、材料が焦点からどこまでずれてよいかを見ます。そのあと、ランプテストのファイルを作れます。板を傾けて目盛り付きの線を 1 本焼けば、本当の焦点のずれを板から読み取れます。

1レーザーとレンズ

レーザーの種類
ガラス管のメーカーは管の出口で約 2.5〜6 mm としています。ヘッドまでの間にビームは広がります。ファイバーの光源はコリメーターの後で約 6〜8 mm です。CO2 の既定の 7 mm は当サイトの仮の値で、メーカーの値ではありません。
1 は理想的なビーム。CO2 は 1.2、ファイバーは 1.5 と仮に置いています(ファイバー光源の仕様は「1.5 未満」が多い)。光源の仕様に書いてあればその値を入れてください。

2材料を動かす

+ は面が焦点よりレンズに近い側。図の板を上下に動かすか、このつまみを使います。
幅は高さよりずっと大きく拡大しています。橙の帯が焦点深度。右の円は面に当たるスポットで、焦点でのスポットと同じ縮尺です。
焦点でのスポット
118µm
1/e² の直径
焦点深度
1.71mm
±0.85 mm(レイリー長の 2 倍)
この高さでのスポット
181µm
焦点から +1.0 mm
ここでの出力密度
42%
焦点での密度に対して
ここでの焦点深度は、スポットの直径が最小の √2 倍に収まる範囲です。レンズの表によっては、もっとゆるい決め方で大きな数を載せています。

レンズを並べて比べる

1.5 インチ88 µm±0.48 mm2.0 インチ118 µm±0.85 mm2.5 インチ147 µm±1.33 mm4.0 インチ235 µm±3.41 mm

同じビーム・同じ縮尺。押すとそのレンズを使います。

3ランプテスト:板

平らで動かない物を挟みます(硬貨を重ねる、厚さの分かる板など)。挟んだ高さは測ってください。
焦点を合わせた場所

4ランプテスト:線

材料に跡が付くぎりぎりの出力で。LightBurn も Focus Test でそうすすめています。
テストの後に板から読み取ります。目盛りの間の値でもかまいません。
線がいちばん細い所の目盛りを入れてください。
傾き
2.87°
10.0 ÷ 200 mm
線の上の目盛りの間隔
10.0mm
ごと(高さ 0.5 mm ごと)
測れる高さの幅
−4.5 … +4.5mm
焦点を合わせた所に対して
線の長さ
180mm
X の 10.0 から 189.8 mm
ファイルの見本(上から見た図)。影は、焦点が合わせた所にあるときの線の太さの目安で、0 の目盛りで最も細くなります。
横から見た図
動かす前に:このファイルは本物のレーザーを動かします。端材に低い出力で、消火器をそばに置き、機械から離れずに動かしてください。持ち上げた端でヘッドがぶつからないか確かめます(すき間は持ち上げた分だけ狭くなります)。板の幅は 15 mm 以上にします(線・目盛り・数字は、板の手前の縁から 12 mm の中に入ります)。G-code では、GRBL のレーザーモードが有効($32=1)か、$30 が上の S の最大と同じかを確かめ、先に枠をなぞり(フレーム)、作業原点 X0 Y0 を板の低い端の手前の角に合わせてください。

SVG は mm 単位で描いてあり、LightBurn や xTool Creative Space で開けます。図のいちばん左の線を板の低い端から 10.0 mm、いちばん下の線を板の手前の縁から 1.0 mm の所に置いてください。

G-code

式

焦点でのスポット(1/e² の直径):d₀ = 4 M² λ f ÷ (π D)
レイリー長:zR = π d₀² ÷ (4 M² λ)・焦点深度 = 2 zR
焦点から z 離れた所のスポット:d(z) = d₀ √(1 + (z ÷ zR)²)・出力密度は焦点の (d₀ ÷ d)² 倍
ランプテスト:X の所の面の高さ = h × X ÷ √(L² − h²)・目盛りの間隔 = 刻み × √(L² − h²) ÷ h

λ は波長(CO2 は 10.6 µm、ファイバーは 1.064 µm)、f は焦点距離、D はレンズに入るビームの直径、M² はビーム品質(理想的なガウスビームで 1)です。これは Omni Calculator が使う式で、M² = 1 のときのスポットの式は、Sintec Optronics が fθ レンズについて書いている 1.27 λ f ÷ D と同じです。焦点深度は、両者と同じくレイリー長の 2 倍、つまりスポットが最小の直径の √2 倍に収まる範囲としています。ランプテストの式は三角形の相似で、長さ L の板を h 持ち上げると、水平の長さの間に h だけ上がります。

式が出すのは理想のスポットです。CO2 レーザーの集光レンズを調べた Sandia の研究では、焦点距離が短くなるほど、測ったスポットが収差の無い場合の予測を大きく上回り、原因は球面収差とされています。ダイオードレーザーは計算から外しています。スポットが長方形で、ビームも丸い 1 本のガウスビームではないので、ランプテストで実際に測ってください。

CO2 のレンズを比べる

レンズ当サイトの計算(スポット・焦点深度)Sintec の図Thunder Laser のすすめる用途
1.5 インチ 38.1 mm0.09 mm・±0.48 mm0.076 mm・±1.91 mm細かい彫刻・小さな文字・写真
2.0 インチ 50.8 mm0.12 mm・±0.85 mm0.127 mm・±2.54 mmふつうの彫刻と切断。最初のレンズ
2.5 インチ 63.5 mm0.15 mm・±1.33 mm0.178 mm・±3.81 mm焦点の余裕がほしい切断
4.0 インチ 101.6 mm0.24 mm・±3.41 mm0.304 mm・±5.06 mm厚い材料・密度の低い材料(目安で 10 mm 超)

当サイトの列は、レンズに入るビーム 7 mm・M² 1.2 として計算しています。どちらも当サイトの仮の値で、メーカーの値ではありません(計算機で変えられます)。Sintec の図は前提のビームを書いていません。焦点深度の値には「+/-」と書いてありますが、同じ資料の本文は焦点深度をレイリー長の 2 倍(全幅)と決めています。値も同じスポットからレイリー長の決め方で出す値より大きいので、傾向を比べてください。

ファイバーの fθ レンズ

ガルバノ式のファイバーレーザーは、fθ レンズで光を絞ります。レンズは焦点距離と加工範囲で呼ばれ、Thunder Laser USA は自社の Aurora の 110・150・200 mm の範囲のレンズを F160・F210・F290 としています。長いレンズほど範囲が広く、スポットは太く、焦点は深くなります。

レンズ加工範囲当サイトの計算(スポット・焦点深度)
F160110 × 110 mm46 µm・±1.06 mm
F210150 × 150 mm61 µm・±1.83 mm
F290200 × 200 mm84 µm・±3.49 mm

ビーム 7 mm・M² 1.5 として計算(20 W のパルスのファイバー光源の仕様は「M² 1.5 未満・ビーム 6〜8 mm」が多い)。150 × 150 mm のレンズは 210 mm と 225 mm の両方が売られているので、レンズに書いてある焦点距離を見てください。

ランプテストの手順

  1. 長さ 150〜300 mm ほど、幅 15 mm 以上の平らな端材を用意します(線・目盛り・数字は、板の手前の縁から 12 mm の中に入ります)。板の長さと、片端の下に挟む物の高さを測ります(5〜12 mm くらいが多い)。持ち上げた端でヘッドがぶつからないか確かめます。
  2. いつもの方法で、生成器で選んだ場所に焦点を合わせます(真ん中がおすすめです。上下どちらのずれも測れます)。
  3. 注意を読んで確認の欄に印を付け、SVG か G-code を保存します。LightBurn や xTool Creative Space では SVG を使い、図のいちばん左の線といちばん下の線を、低い端と手前の縁から表示の距離の所に置きます。G-code では、作業原点 X0 Y0 を低い端の手前の角に合わせます。
  4. 跡が付くぎりぎりの低い出力で焼きます。線は両端が太く、本当の焦点の所でいちばん細くくびれます。
  5. いちばん細い所の目盛りを読み、生成器に入れます。どちらへ何 mm 動かせばよいかが出ます。

LightBurn から動かせる電動の Z 軸があれば、LightBurn の Focus Test が、板を傾ける代わりに Z を動かして同じことをします。Thunder Laser の Bolt の案内では、粗いテストの後、よかった 2 本の間で細かいテストをし、その結果でオートフォーカスの高さを合わせています。スポット径が分かったら、線間隔・DPI の計算で彫刻の線間隔に直せます。切り口が焦点を外れるとどうなるかはレーザーで何 mm まで切れるかで見られます。

よくある質問

CO2 レーザーの 2 インチのレンズのスポット径は?
レンズに入るビームが直径 7 mm、ビーム品質 M² が 1.2 なら、理論では約 0.12 mm です。d = 4 M² λ f ÷ (π D) = 4 × 1.2 × 0.0106 × 50.8 ÷ (π × 7)。Sintec Optronics の一般的な CO2 レーザーの図では 0.127 mm です。レンズに入るビームが太いほどスポットは小さくなり、管の劣化や光学部品の汚れで大きくなります。
CO2 のレンズはどの焦点距離を選べばいい?
Thunder Laser のレンズの案内では、2.0 インチがふつうの最初のレンズ、1.5 インチは細かい彫刻や小さな文字、2.5 インチは焦点の余裕がほしい切断、4.0 インチは厚い材料や密度の低い材料(目安で 10 mm 超)向けで、上限ではなく出発点としています。計算機で見ると理由が分かります。焦点深度はスポット径の 2 乗で大きくなるので、長いレンズは細かさと引き換えに余裕を得ます。
ダイオードレーザーのランプテストのやり方は?
平らな端材の片端を、高さを測った物で持ち上げます。いつもどおり板の真ん中で焦点を合わせ、低い出力で斜面に沿って直線を 1 本焼きます。線は両端が太く、面が焦点と重なった所で最も細くなります。この生成器は線に高さの目盛りを付けるので、焦点のずれをそのまま読めます。いちばん細い所が +1.0 なら、本当の焦点は合わせた面より 1.0 mm 上です。
LightBurn に焦点のテストはある?
あります。LightBurn の Focus Test は、Z の高さを変えながら線を並べて彫り、いちばん細い線が最も焦点の合った高さです。ただし、LightBurn から動かせる電動の Z 軸が必要で、Device Settings で Z の制御を有効にしておきます。電動の Z 軸が無ければ、板を傾けるランプテストで同じことができます。

出典

確認日 2026-11-01・計算による値です。このページを作るのにレーザーは使っていません。